2009年05月25日

四月からこっち読んだものとか

 何やら、久方ぶりの更新となります。
 四月なんかは、すこんと抜けちゃってますね。
 引越し仮住まい中なので、何かと立て込んでまして、この体たらく。
 いや、寧ろ、一人になれる機会があまりないのが原因のような気がしないでもない(人の気配が側にあると、作業がしにくい)。
 わざわざ覗きに来てくれる方には申し訳ないですが、秋頃までこんな感じになると思います。ぽつりぽつり。

 とりあえず、読んだ本の一口メモなど。

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2009年03月31日

厭魅の如き憑くもの

厭魅の如き憑くもの

著者名:三津田信三(著)
出版社:講談社
出版年:2009.03
ISBN :9784062763066


 村のそこかしこに山神様の化身であるカカシ様を祀る山深い村・神々櫛村。
 そこは、憑き物筋である谺呀治家と神櫛家が微妙な関係で並び立つ、無数の怪異と伝承が残る場所だった。

 戦後からしばらくたった昭和。
 神々櫛村を訪れた怪奇幻想作家・刀城言耶は、怪死事件に遭遇する。
 笠を被り蓑を纏ったその姿は、まさしくカカシ様そのもので……。

 ホラーとミステリーとの融合を模索する作家さんということで、手に取ってみた一冊。
 もっとおどろおどろしいのかと思ってたんですが、そうでもありませんね。
 舞台装置としては十分おどろおどろしいのですが、文章自体からはその辺の異様さがあまり感じられないので、怖さはない。怖さというのは皮膚感覚だよなぁ、と思うので、こう理屈を幾ら並べても出てくるものではないので。寧ろ民俗学的薀蓄がやたらと多いので、中盤ぐらいまでホラーでもミステリーでもなく寧ろ民俗学小説だよなぁ、と思った(とはいえ、その辺私自身は嫌いじゃないんだが。村制度とか民俗学の授業を思い出すなぁ)。
 とはいえ、その印象はラストまで読むと、がらりと変わるわけですが。
 謎が解き明かされたあとに残る恐怖を、ぜひ。
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2009年03月12日

二月分の感想メモ

 って、三月ももう二桁ですやん。ちなみに誕生日(いや、どうでもいい)。
 うわー、うっかり(うっかりしすぎです)。

 先月を振り返ろうにも、感想ほとんどつけてないですねぇ。
 ……本は読んでるんですが。というか、しばらくの間あんまり出そうもないので、ここぞとばかりに気になってた本に手をつけてみたりもしてたなんですが。

 とりあえず、以下、読んだ本の簡単感想など、つらつらっと書き連ねてみます。


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2009年02月05日

ネクロポリス 上・下

ネクロポリス 上

著者名:恩田陸(著)
出版社:朝日新聞出版
出版年:2009.01
ISBN :9784022644695


ネクロポリス 下

著者名:恩田陸(著)
出版社:朝日新聞出版
出版年:2009.01
ISBN :9784022644701


 イギリスと日本の影響を強く受け、独特の文化を持つV・ファー。そこに「アナザー・ヒル」はある。ヒガンの間V・ファーの人たちはかの地で過ごし、「お客さん」――死者が来るのを待つのだ。
 文化人類学を研究する大学院生のジュンは、ヒガンに参加するのは初めてだ。東京生まれの彼はアナザー・ヒルの逸話については半信半疑だったが、多くの人たちの興味は死者から「血塗れジャック」事件の犯人を聞き出すことにあった。
 しかし、「アナザー・ヒル」に入るために船に乗った人々の前に、鳥居に吊るされた死体が現れて……。

 相変わらず、枝葉末節は大変面白いんですけどね。
 メイン部分がないほうが面白かったんではないだろうか、と思われるのは何故だろう。量産し始めた頃から、恩田作品には偶にある現象。裏を返せば、これもこの人の持ち味か。
 外来文化の奇妙な変遷とか、少ない情報からV・ファーについて考察したりするのは楽しかったんですけどね。読後感は何だか微妙だ。
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一月のまとめ

 二月に突入して、もう五日になっちゃいましたか。
 先月分の感想、書き漏らしはそこそこありますが、まぁ、五日だし。後日(気が向いたら)。
 ということで、先月のまとめ。


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2009年02月01日

天翔の矢  ヴァルデマールの使者3

天翔の矢

著者名:マーセデス・ラッキー(著)
澤田澄江(訳)
出版社:中央公論新社
出版年:2009.01
ISBN :9784125010632


 一年半の研修を終え正式に<使者>となったタリア。<女王補佐>としての激務に追われる中、誤解と陰謀から親しい人たちとの関係がギクシャクし始めてしまい……。

 『ヴァルデマールの使者』最終巻。
 『ヴァルデマールの風』のネタばれショックはともかくも、あらすじを知っていたところで物語を読む面白さはそれとは別なんだな、と改めて感じさせてくれる出来でした。
 そもそも、こっちの三部作のほうが断然性に合うんですよね、私の場合。始終あちらこちらで運命の恋とやらに落ちてないし(寧ろ『ヴァルデマールの風』の恋愛件数の多さは、シリーズ中でも浮いている気がする)。
 それにしても、あれがこうなってこうなるのねー、と腑に落ちたりするのは、同一世界観で繰り広げられるシリーズもの読む時の醍醐味ですね。
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護られし者 3  攻勢

護られし者 3

著者名:ピーターV.ブレット(著)
和爾桃子(訳)
出版社:早川書房
出版年:2009.01
ISBN :9784150204877


 クラシア人に魔物に対抗する手段となり得る槍を奪われ、砂漠に追放されたアーレン。何とかオアシスまでたどり着くことは出来たが、彼が魔物に対抗する手段として思いついた行為は、やがて彼自身を人間から外れた存在へと追いやることになり……。

 一部完結編。最終巻にして、何やら少し駆け足気味の感もあり、うーん、と思うところがないでもないですが、まぁ概ね納得の一部完。やっとのことで三人が巡り合い、皆で協力して事を成すあたりは盛り上がりますね。
 が。最後の二部への引きは、ひとまずの大団円ムードぶち壊しもいいとこ。まぁ、その辺はいいんですけど、寧ろ二部がクラシアの某人メインというのが、微妙に購買意欲を削いでくれます。
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2009年01月27日

死者の短剣 惑わし

死者の短 剣惑わし

著者名:ロイス・マクマスター・ビジョルド(著)
小木曽絢子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.12
ISBN :9784488587086


 地の民の娘フォーンはわけあって家出中。途中立ち寄った農家で、謎多き民として知られる湖の民の警邏隊を目撃する。警邏隊が追っている悪鬼の手下に、何も知らないフォーンは捕まってしまい……。

 ビジョルドを読むのは、はじめてな気がします。
 面白いのは面白いのですが、日本のファンタジー小説じゃありえない展開ですね、これ。タイトルにある死者の短剣にまつわる謎を追う話のはずだったんですけど、途中からものすごい現実的な、とある問題解決に奔走し、そのまま終了してしまいましたよ。以下続刊というわけですか。おもしろかったけど、思ってたのと違う。
 ファンタジーの定着度というか、お国柄の違いというやつをひしひしと感じるなぁ。
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2009年01月18日

ヴァルデマールの風

宿命の囁き

著者名:マーセデス・ラッキー(著)
山口緑(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2003.11
ISBN :9784488577063


 『宿命の囁き』『失われし一族』『伝説の森』のそれぞれ上下巻、三部作からなる『ヴァルデマールの風』。『ヴァルデマールの使者』を読んでいて、いろいろと関連があるので再読しようと思っていたのを決行してみました。
 なので、のっけから『ヴァルデマールの使者』の未刊部分のネタばれがあり、ちょっとテンションが下がる。本編に関係のある部分だし、出版社違うし、刊行されたのこっちが先だし、まぁ、仕方がないんですけどね。

 もともと、女性が困難にぶつかりながらも、恋や仕事、生き甲斐を貪欲に求めていく様を描くラッキーですが、今作はやたらとその傾向が強い。何だか深夜に放送されるアメリカの連続ドラマテイスト。特に色恋はいっぱいいっぱい。あちらの人は、ほんと元気だよなぁ、と思った。

 人間以外の種族が色々出てきますが、大層いい味出してます。
 特に、魔剣「もとめ」を巡る物語としては、ある意味集大成となるのかな。
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2009年01月09日

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

著者名:森見登美彦(著)
出版社:角川書店
出版年:2008.12
ISBN :9784043878024


 大学のクラブの後輩の「黒髪の乙女」にひそかに思いを寄せる「私」。まずは外堀を埋めるべく取った手段は「偶然の出会い」。
 ある時は、夜の先斗町で。ある時は、下鴨神社の古本市で。またある時は、大学の学園祭で。
 しかし「偶然の出会い」は、個性溢れる面々と珍事件とに彩られたもので……。

 全四章。章毎に一つの話なので、「乙女」と「先輩」を巡る四つの物語がおさめられてます。
 舞台はやたらとレトロな空気をかもしつつも、現代であるらしい京都。
 まぁ、京都だもんなぁ、といろいろ納得。

 出てくる人物出てくる人物、何とも個性的で。起こる事件もそれに相応しく奇抜であり、滑稽であり。舞台化決定となってましたが、なるほどな、と思いました。これは舞台向だわ。
 そして、竜巻に巻き上げられる錦鯉エピソードに、やたらとときめきを覚えた私(笑)。

 おともだちパンチという奥の手を持ち、ある時は背中に緋鯉を背負い、何故だか達磨を良く拾う、乙女がやたらと可憐です。
 彼女と親しくなるという以前の、顔を覚えてもらうという目的のために、空回りに次ぐ空回りを繰り返す先輩に憐れみを誘われつつも、にまにまと笑いながら見守るような気持ちで読むのが宜しいかと。
 いやぁ、愉快な話でした。
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