| 護られし者 1 |
 | 著者名:ピーターV.ブレット(著) 和爾桃子(訳) 出版社:早川書房 出版年:2008.09 ISBN :9784150204785
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日没と共に魔物が現れ、人を襲うのが今の世界の在り様だ。夜の間は護符で囲った室内で身を潜め、人々は息を潜めて朝を待つしかない。
かつて人々を率いた神使が現れた時代、人の手には戦いの護符があり、戦う術はあった。しかし、ある日を境に魔物がぴたりと地上から姿を消し、やがて訪れた人が隆盛を極めた科学の時代、魔物や護符の力の大半は迷信として忘れられていった。だからこそ、突如として戻ってきた魔物たちになす術もなく敗れ去り、今の世界がある。
地方を行き来するものがほとんどないために、交易は減り、辺境には情報や物資も届かない。唯一の頼りは、訓練を受け護符書きや簡単な薬草の知識を持つ配達士の存在だ。
辺境に住まう少年アーレンは、ある配達士との出会いから、魔物に脅えるだけの毎日に疑問を持つ。とある事件に巻き込まれたのを機に、配達士となるために旅立つことを決意するのだった……。
文明崩壊してるんだから当然ですが、十全健全な作品ではありません。苦手な方はご注意を。
とはいえ、主人公は基本的に前向きに生きてますので、そこまで重たい空気にはなってませんが。全般的に、困った大人たちと田舎の嫌な面が目白押しですね、この巻。
早川さんがやたらと気合入れて、アメリカより先行発売した三部作の第一部三冊分割の一巻目(ややこしい)。とはいえ、近所の本屋になかったんで、ついでもあったんでお取り寄せ。頑張れハヤカワ文庫。ずっと取り寄せなんて、面倒くさいぞ(苦笑)。
ともかくも、ずっと取り寄せでも買っても良いぐらいには、私好みの物語でした。
主人公は三人おりまして、この巻では全員馬鹿な大人たちの行動が原因で今までの生活が崩壊し、一部の頼れる大人たちの手を借りて新たな生活を始めるところまでで終わってます。全体的に夜の暗がりと無知の闇が昼間に世界まで侵食しているような重苦しさがありますが、暗いばかりの物語ではなく、なかなかにしぶとそうな主人公と、脇で彼らを支える一癖も二癖もある大人たちが魅力的。
三部作というのなら、最後まで出るといいなぁ(色々してやられた前科があるもんなぁ、早川さんには)。